「読書は頭に良い」と言われる8つの理由と実際の効果・メリット

読書

「読書は頭に良い」

こんなイメージがある人は多いはず。しかし、実際はどうなのか。

世界の調査研究によると、読書には大きく8つの効果があると考えられています。

もちろん、何かの効果を得るために読書を始めるのは、とても無意味なこと。

読書はあくまで好きだから読む、気になるから読む。それ以上でもそれ以下でもないですが、何かを始めるには、きっかけが必要なもの。

これを機に、読書を始めるのも私は悪くないと思います。というわけで、

ここでは、普段から読書をする私が読書で得られる8つの恩恵を解説します。研究論文も含めながら解説するので参考にどうぞ。

1.本を読むと、視野が広がる

小説やマンガには、色んなストーリーや世界が登場します。そのため、読んでいるだけで自然と知識が増え、色んな角度から物事が考えられるようになります。視野が広がるとも言いますね。

視野が広がると何が良いのか、というと選択肢が増えることです。人は自分の知らない道に進めません。

選択肢
例えば、「宇宙兄弟」というマンガを読んで宇宙の世界に惚れ込み、宇宙のアナウンサーになるための飛行士試験を受ける人がいます。

同じように、キャプテン翼にハマってプロサッカー選手になった人は多く、学生時代にのだめカンタービレを読んでピアノを始める人もいます。

他にも、下記のように本から感化された経験がある人はいるはず。

  • 孤独のグルメを読んで、食べ歩きや一人旅行にハマる
  • スラムダンクにハマって、バスケ部に入り、社会人になった今でも仲間とバスケをする
  • テニスの王子様を読んでテニス部に入り、全国大会に出てしまう
  • 刀剣乱舞に興味を持って、刀や日本史について理解できるようになる

この様に、本は「チャレンジするきっかけ」を作ってくれます。チャレンジが増えれば、その分、自分の可能性は広がります。

2.コミュニケーション能力の向上


2013年の疫学調査「小説は、他者の気持ちを理解する力を育む:Reading literary fiction improves theory of mind」によると、

文芸小説を読む人は、相手を理解する能力が正常とされています。

小説には、色々な考えを持つ人が登場するため、これに慣れていると偏った意見で人を見なくなります。簡単にいうと「共感力」というものですが、

この力が極端に弱い人は、相手の気持ちが理解できないので、平気で人を傷つけたり、他者や社会とのコミュニケーションが上手くとれず、自閉症に陥りやすいと考えられています。

逆に健康な人は、喜びや悲しみといった感情に寄り添いながら、他者の考え・意見に共感できるため、無闇に人を傷つけず、社会や学校でうまくやっていけます。

3.ボキャブラリーの拡張

kindle-辞書

本には、膨大な単語が出てきます。そのため、自然とボキャブラリー(その人が脳内に持っている単語・言葉)が身につき、相手に伝える力が上がります。

この伝える力は、プレゼンや交渉・連絡・資料作成など、全ての仕事に繋がります。若い内から身につけて損しません。学生さんは、漢字や文章読解に強くなるメリットもあります。

なお、AmazonのKindleは、文字をタップすると言葉の意味が分かるので便利です。気になった所をペンマーカーでなぞり、後でまとめ読みも出来ます。

4.問題解決の「きっかけ」を与えてくれる

自分の考えが全て正しい。自分の経験則だけを信じて生きる。こんな愚かでバカなことはないです。あなたが抱えている学校や会社での問題。その解決のヒントとなるのが本です。

本には実体験を元にした先人の知恵だけでなく、科学的な研究結果も分かりやすく紹介されています。

自分の狭い世界で悩むのではなく、色んな人の意見を聞いてよく考え、取捨選択することで人は賢くなっていきます。

そして、これは啓発書や参考書だけでなく、マンガや小説からも学べます。大切なことを教えてくれる本はたくさんあります。

宇宙兄弟-俺の敵はだいたい俺

(C)小山宙哉/講談社

5.集中力と記憶力が改善する

マインドマップ-小説

人は本を読んでいる時、頭の中で自動的にマインドマップを作ると考えられています(Science direct)。マインドマップとは、簡単にいうと話の内容を分かりやすく図解した地図のようなもの

例えば、小説やマンガを読む時、私たちはストーリーや登場人物の関係を整理しながら読みます。これが出来ないと、本の内容がよく分からず、ついていけません。

話の整理
難しい本はより頭を使うわけですが、この整理は良い頭の体操となり、集中力と記憶力を育むと考えられています。

ちなみに、動画(アニメ等)は作成者に分かりやすく整理された映像が届くため、ボケっと見ているだけで何となく内容が入ってきます。よって、あまり頭の運動になりません。

6.認知機能を健全に保ってくれる(アルツハイマー病の予防)

脳の働き

アルツハイマー病の情報センター(KEEP READING TO KEEP ALZHEIMER’S AT BAY:アルツハイマー病を予防するなら本を読みましょう)によると、

読書は認知機能の健全な維持、すなわちアルツハイマー病の予防にも有効である可能性が示唆されています。

具体的には、加齢による記憶力・理解力・判断力などの低下予防ですね。これも頭の運動による恩恵です。

80歳以上では20%以上の方がアルツハイマー病になると言われているので、「自分は大丈夫でしょ」と高を括らない様にしましょう。

7.読書はストレスを解消してくれる

読書
米国の研究(Stress Management Strategies for Students:学生のストレス管理)によると、

1日30分間の読書がストレスを和らげる可能性を示唆しています。調査では、血圧や心拍数などのストレス指標が読書前に比べて低下したとのこと。

人は何かに熱中するとスッキリするもの。私も自分の好きなマンガや小説に夢中になった後は、なにか疲れが取れているように感じますね。自分の好きな本・気になる本を読むのが良いでしょう。

8.文章読解に強くなる|テスト対策になる

読書-本

本を読むと、当然ながら漢字や文章読解に強くなります(英書なら英単語や表現方法など)

これらに強くなると何が良いのか?というと、恩威を受けやすいのは学生さんです。受験・テストは、基本的に文章を読みながら解いていく文章問題です。

普段から文章に慣れておくと、勉強も苦になりにくく、ボキャブラリーが増えれば理解力も上がります。動画ばかり見ている方は、適度にマンガや小説にも触れておきましょう。

最後に、本を読んだ後の注意点

小説や漫画はストーリーを楽しむだけで、疑似体験が得られます。先を予測する推察力だけでなく、ちょっとした豆知識も身に付きますが、自己啓発や参考書を読むにしても、気をつけたいことがあります。それは、

結局のところ、何を学んでも行動に移さなければ何の意味もないということ。読書は「行動を発芽させるための養分」に過ぎないので、行動へ移す仕組み作りに繋げることが大切です。

また、学んだ知識を頭に定着させるためにはアウトプットが重要ということも科学的に分かっています。本を読んだら、本で学んだ重要なことや感想をSNS・ブログ・自分の読書ノート等に書き記すのが良いでしょう。